JapanColorについて
最近JapanColor2011のドキュメントを見つけた。
ようやくここまでたどり着いたか、という印象と、まだそんなことやってるのかー、というガッカリ感の両方。
- 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
- 発売日: 2013/09/27
- メディア: Blu-ray
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2004年ぐらいだっか、CTPシステムの導入とともに印刷の色の管理についていろいろテストしていた。
その時の結論。
JapanColor2001使えねー。日本のインキメーカーのインキを全部包括できる範囲で規格作っているから一番違うのだとΔ7ぐらい違うし。
色合わせようと思ったら、印刷機械ごとにトーンカーブ変えた板を焼く。それでインキ膜厚が同じになるように刷る(濃度測る)。
色校正(本機校正じゃなくても平台校正機でも)は同じインキ使って、校正機用にトーンカーブ変えた板を焼く(濃度測る)。
そのころ、JAGATでセミナーとかよくやってたのでちょくちょく行ってたのだけど、その時に来た人に「プロセスインキの色調自体が違うので...」とか聞いてたら「プロセスインキの色調?同じですよ」と言ってて愕然とした。
カラーマネジメントの講演とかしていた人だけど。
お願いしていた校正屋さんはそのへん理解して、きちんと支給インクで濃度管理されたものを出してくれたけれど、上記のとか他のセミナーとかで(会って、懇親会で)話していた校正屋さんとかは「綺麗に仕上げればいい」みたいな話をしていて、随分ずれた考え方だなーとか思ってた。
なんかブログとか書いてたと思うけど。
測色計、濃度計のモードのことも知らない人は多かった。
デザイン機材屋さんはステータスE、印刷機メーカーはステータスTを推奨していることが多かった。
参考濃度とか書いてある表にも記載されているものは少なかった。
メーカー、機種、それに個体差も激しく、同じターゲットを測って読み替えないといけないことも多かったが、知らない人は多かった。
で、今回、(ISO準拠 ジャパンカラー枚葉印刷用2011検討経緯報告書)を見ていたら
(ISO準拠 ジャパンカラー枚葉印刷用2011検討経緯報告書 P6から引用)
乾燥後、ステータス E、ブラックバッキング
とちゃんと書いてある。
インキについても2種類テストして、「インキによって色調は違う」ことがはっきりと認識されていた。
ここまでは、ようやくたどり着いたかーってところ。
残念感が漂ったのは
(ISO準拠 ジャパンカラー枚葉印刷用2011検討経緯報告書 P13から引用)
一方、日本の代表的なインキであるインキ A とジャパンカラー2007 との比較の結果では、シアンの値でΔE=6.7 の差が見られた。
という分析のあと、
この結果、現在の日本の代表的なインキが、ジャパンカラー2007 の基準であるΔE=5 以内に入りにくいことが明らかとなり、規格値自体を見直す必要性が確認され、新規格値の策定に進むことが決定した。
こんな風に書いてあること。
違うでしょ。
理想インキと比べてΔ1.5以内のインキをJapanColor推奨インキとして認証すべきでしょ。
(一般人が色を判別できるのはΔ3程度と言われているので、理想インキを中心として正反対の位置にあるインキA,インキBが同じ色だと見られるには理想インキに対してΔ1.5以内である必要がある)
印刷屋さん、デザインやさんなら手元に色見本帳の2つや3つはあるだろうから見比べていただくとわかるが、ある大手1社のプロセスシアンインキは極端に違う。
元の色調が違うものを合わせようとしても無理がある。
プロセスインキの色調を統一すべきだ。
もう一つ
(ISO準拠 ジャパンカラー枚葉印刷用2011検討経緯報告書 P15から引用)
印刷機による色再現差は予想より大きいものであることが明らかになった。
今わかったんかい!
印刷機における差は、全判機と菊半機を使用したことに伴い、印刷速度が変わり、そのことにより違いが出ている可能性も考えられたため、
違います。
それもあるけどメーカーにより違うし機械の個体差もあるし。
だから版を焼くときに印刷機別にトーンカーブ変える必要があるの。
個体差までは焼きで吸収できるけど、印刷時の環境への対応はオペレータがやらないといけない。ニップ圧とか水の加減とか。(工場内の温度、湿度管理は当然として)
JapanColor202Xぐらいになるとなんとか使い物になるんだろうか...ちょっと期待。
まずはプロセスインキの色調をJISで決めてくれ!